セミのどこが気持ち悪いのか?

chinkido2005-09-04

 花輪和一さんといえば蝉の幼虫である。花輪さんのマンガで蝉の幼虫が主役になったものはないが、花輪さんは色紙によくこの虫を描かれる。
 蝉の幼虫は、コロンとした不恰好なロボットみたいで、造形的に愛嬌がある。また、どっしりしていて強そうでもある。だから、男の子に人気があるハズである。
 ちんき堂所蔵の花輪さんの色紙に、蝉の国で幼虫を抱っこしている女の子の図があるが、これを見るとオイラは北海道の牧場で乳牛の世話をしている女の子を連想してしまう。蝉は甘い汁を出さないし、ましてやミルクを出したりしないが、蝉の体型が乳牛と似ているからだろう。体型だけでなく、蝉の幼虫は家畜のようにおとなしく、怒ったり絶対にしないだろう。
 花輪さんは蝉の幼虫のどこが好きなのか、今度、電話で訊いてみようと思う。
 多くの人はメタモルフォーゼの魅力だというだろう。いわゆる変身願望ですね。
 背中の皮を割り、成虫が反り返って出てくるのを見るとき、オイラは神様の仕業を身近に感じてしまうのである。羽化したばかりの真っ白い蝉は、神様の化身みたいである。
 こんな神々しい蝉の幼虫のどこが気持ち悪いというのか! そう、これが一番いいたかったわけ。
 花輪マンガの大ファンのくせに、蝉の幼虫はキライだから、蝉の幼虫を描いた色紙は欲しくないという野郎の実に多いことか! 情けない! 昆虫大好きオヤジにとって、これは全く予想外だった。甘かった。ショックでガックリ。幼虫の色紙が売れないとホント困るのよ。